【1分でわかる】難民の数について

2022年06月19日・国際 ・by ろーど

難民の数、そして内訳は?

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、5月23日、紛争や迫害、人道危機によって故郷から逃れることを余儀なくされ、難民や避難民となった人の数が全体で初めて1億人を超えたと発表しました。2021年末にはおよそ9000万人近くであったのが、2022年になってロシアのウクライナへの軍事侵攻によって急増したということです。UNHCRのグランディ難民高等弁務官は「この1億人という数は、破壊的な紛争を解決・防止して、迫害をなくし、罪のない人々が故郷を追わざるを得ない根本的な原因に対処するための警鐘となるべきだ」と訴えました。

今回の発表ではこの1億人という総数に焦点が当てられていましたが、総数以外にも様々な数についてのデータが上がっています。

約3500万人は子ども

2020年時点において避難を余儀なくされている18歳未満の子供の数は、約3500万人にのぼります。これは当時の割合でいうと全難民のおよそ42%に相当します。また、2018年から2020年の3年間でおよそ100万人の子どもが難民として生まれています。

約430万人は無国籍者

2021年時点で、およそ430万人の人が、国籍がないために自国からの保護を受けられない状態となっています。しかし、多くの国で無国籍者に関するデータがないため、実際はこの数字よりも多いとされています。

約86%は途上国に避難

2020年時点で、全難民のうち約86%の人たちは発展途上国に避難をしています。近隣諸国へ避難している人の割合が73%というデータもあり、紛争が起こっている国との位置関係もありますが、国際支援の深刻な偏りが出ているとされています。

参考

NHKニュース「世界の難民・避難民 初の1億人超 ウクライナ侵攻で急増 UNHCR」2022年5月23日
UNHCR The UN Refugee Agency Asia Pacific「UNHCR: Ukraine, other conflicts push forcibly displaced total over 100 million for first time」2022年5月23日
UNHCR The UN Refugee Agency 日本「数字で見る難民情勢(2020年)」2022年6月17日閲覧
UNHCR The UN Refugee Agency 「Refugee Data Finder」2022年6月17日閲覧
UNHCR The UN Refugee Agency FLAGSHIP REPORTS FORCED DISPLACEMENT IN 2020「GLOBAL TRENDS FORCED DISPLACEMENT IN 2020」2022年6月17日閲覧