週休3日制 メリットとデメリットは
2022年06月03日・社会 ・by Newsdock編集部
最近大手企業で導入がすすむ「週休3日制」。将来のことを考える大学生にとっても身近な話ではないでしょうか。ですが、本当にそんな制度は実現できるのでしょうか?そもそも導入するメリットとデメリットは何なのでしょう?実際に導入している企業の例を参考にしつつ、基礎的なところからまとめました。
現在の週休3日制
パナソニックや日立製作所の発表をきっかけに一気に話題となった週休3日制。厚生労働省の調査によると、既に週休3日制を導入している企業は、令和2年時点で9.8%となっています。平成21年の6.8%に比べると着実に増えつつありますね。日本人は働きすぎるとしばしば言われますし、週休3日制は一見すると非常に理想的な制度です。各企業の週休3日制のスタイルは多様ですが、企業が導入する目的としては導入目的はかなり一致する部分が多く、介護や勉強時間など自由に使える時間を増やすことのようです。では、週休3日制のメリットやデメリットはどんなものなのでしょうか。
週休3日制のメリット・デメリット
週休3日制のメリットおよびデメリットを、導入する会社の側と、その会社で働く社会人の側それぞれからみてみると、以下のようになります。
週休3日制のメリットの中で特徴的なのは、感染症対策です。満員電車の解消も出社率の低下もまさに新型コロナを背景に必要となったもので、その影響力を感じます。デメリットとして、多くの企業で導入が定着するまでは取引先企業との休み形態の違いで仕事が思うように進まないことが考えられます。これが多くの企業の導入を阻んでいるのかもしれません。なお給料が減るか否かなどは企業によるため一概には言えませんが、後述するように給料も減らす企業が存在しているのは事実です。
実際に導入している企業の声
このようにメリットとデメリットがともに存在する週休3日制ですが、日本でも先んじて週休3日制を導入している企業があります。実際に導入してどうだったのか、まとめました。
「労働時間は減らすが給料は維持する」日本マイクロソフト株式会社
1日8時間労働で週に4日間働く、というスタイルです。労働の効率化を積極的に目指しており、社内のアンケートでは92.1%が満足しているとの事で、非常に満足感の高い制度のようです。
「労働時間を減らし給料も減らす」株式会社みずほフィナンシャルグループ
1日8時間労働で週に4日間働くが給料も80%に減らす、というスタイルです。週休4日も選ぶことができ、その場合は給料が60%となリます。この導入率などは発表されていませんが、低金利時代であることやIT企業などが金融に進出していることから銀行は苦しい状況にあり、経費削減目的では、とも言われています。
「労働時間を減らし給料も減らす」ファーストリテイリング
1日10時間労働で週に4日間働き、給与は従来通り、というスタイルです。社員の声としては、「自分の時間と介護を両立できる」「夫婦で家事育児をより分担しやすくなる」「自己研鑽に励む時間が増える」といった、肯定的な声が多く聞かれます。
今後の週休3日制
週休3日制は柔軟な働き方を可能とすることがわかり、賃金形態や総労働時間についても多種多様です。広く定着はしていないためかもしれませんが、実際に導入した企業の声で否定的なものは現状ではほとんど発見できず、テレワークを含め働き方が多様化しつつある今日の流れに乗って、徐々に週休3日制をとる企業は増えていくのかもしれません。
参考
働き方改革ラボ「週休3日制のメリット・デメリット」2021年12月3日
HR NOTE「話題の『週休3日制』は導入すべき?|日本マイクロソフトやみずほ、ファーストリテイリングも取り入れる制度の中身」2022年3月10日
ユニクロ「週休3日制とは?」2022年5月23日閲覧
THE OWNER 「みずほ銀行が週休3日制を導入 真意は『働き方改革』でなく『リストラの準備』なのか?」2020年11月14日