【1分でわかる】衆議院と参議院の違い

2022年06月27日・政治 ・#参院選2022 ・by Newsdock編集部

最近ニュースでも耳にすることが増えてきた参議院選挙。今回は「参議院選挙のそもそも」シリーズの第3弾として、衆議院と参議院の違いを簡単にまとめました。

任期の違いと解散の有無

日本の国会は衆議院と参議院から構成されますが、両議院には議員の任期という点で違いがみられます。衆議院議員の任期は4年であるのに対し、参議院議員の任期は6年となっています。

また、衆議院にのみ解散という制度が存在します。これにより、任期満了を待たずに総選挙を行うことが可能であるため、衆議院議員の実際の在職期間はさらに短くなる傾向にあります。

権限の違い——「衆議院の優越」と「良識の府」

衆議院と参議院では、それぞれが持つ権限にも違いがみられます。

まず、内閣不信任決議案は衆議院でのみ決議することができるほか、予算案については必ず先に衆議院に提出して審議することになっています。また、法律や予算案の議決、条約の承認や内閣総理大臣の指名といった場面では、参議院が衆議院と異なる議決をした場合でも、最終的には衆議院がした議決を押し通して国会の議決とすることが認められています。

このように、両議院の権限には差異がみられ、衆議院には参議院と比べてより強い権限が与えられています。これを指して「衆議院の優越」といいます。

「それでは、参議院は全くの役立たずなのか?」というと、そうではありません。参議院には解散という制度がないことから、その時その時の政局にとらわれず、中立公正な議論を行うという「良識の府」としての役割が(少なくとも建前上は)期待されています。

権限の違いが認められる根拠

衆議院と参議院でこのような権限の違いが存在し、衆議院の優越が認められることには、実は先ほど述べた任期と解散の話が深く関係しています。

衆議院議員の任期は参議院議員より短く、さらに衆議院にのみ解散という制度が存在します。そのため、衆議院議員の総選挙は参議院よりも頻繁に行われ、そのたびに国民の意思が問われることになります。そうすると、衆議院というのは、その時の民意を参議院よりも正確に反映した機関であり、そうであるからこそ、前述したような優越的な権限に値する、ということに(これまた少なくとも建前上は)なるわけです。

次回の記事では、衆議院選挙および参議院選挙における投票率の実態をみていきます。

参考

芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法 第七版』